介護職のあなた!こんな法律知ってましたか?
「介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律」
平成4年から運用されていたそうで、本年度(平成27年)全文改正を行うにあたっての「改正案(ほぼ確定)」が平成27年4月に報道発表されています。 厚生労働省ではこの改正案を踏まえ、今年度から実施する「介護雇用管理改善等計画」作成、「介護労働者の雇用管理の改善等」の取組みを行っていくそうです。
ではどんな事が明記されているのか、大まかなポイントについて確認してみたいと思います。
介護雇用管理改善等計画
介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成4年法律第六十三号)代六条第五項において準用する同条四項の規定に基づき、介護雇用管理改善等計画(平成12年労働省告示百六号)の全部を次のように改正する。
第1 計画の基本的な考え方
1 計画策定の目的等
介護労働者の雇用管理改善等を総合的に進めることにより、介護労働者が生き生きとやりがいを持って働くことが出来る魅力ある職場つくりを力強く支援し、ひいては、介護を要する高齢者等が必要とする介護サービスを十分に享受できるよう、介護労働法に基づき、今後講じようとする施策に関する基本的な事項を示すものである。
更に、厚生労働省は、地域における介護の在り方、労働力の確保等に係る情報共有や話合いの場として、地域の介護事業関係者から構成する「介護労働懇談会」や事業所訪問の機会等を利用しながら、様々な方法で、計画の周知を図っていく。
2 計画の期間等
平成27年度から平成32年度(定期的な計画の実施状況確認、評価を行う)
第2 介護労働者の雇用の動向
1 介護職員数
厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」によれば、介護保険制度の施行時は54.9万人であった介護職員数は、年々増加し平成25年度で176.5万人、将来に的には平成37年度には237万-249万人が必要と推計されている。
一方介護福祉士の現状は、平成25年9月現在で登録者が119万人に対して介護従事者数が66万人と、55%に留まっている。
訪問介護員に至っては、平成24年度までに研修修了者数が383万人に対し、従事者数は平成23年9月末で42万人と11%と少なく、潜在的な介護従事可能者がいるとも考えられている。
2 過不足状況
「平成25年度介護労働実態調査結果」では、職員数が「適当」と回答した事業所が43%、「大いに不足、不足、やや不足」が56.5%で不足が過半数を上回っている現状が見える。
職種別での不足感は 介護職員:51.4%、訪問介護職員:73.6%と訪問介護職員の方が不足感が強い様である。
3 公共職業安定所における職業紹介状況
平成22年度から有効求人倍率数は上昇傾向にあり、平成25年度で1.91倍で全職種が0.87倍を考えると2倍以上である。
4 就業形態等
介護職 : 正規職員56.7% 非正規職員41%
訪問介護職: 正規職員17.5% 非正規職員79%
従事している主流の性別・年齢を比較すると、
<性別>
男性:40歳未満
女性:40歳以上
<職種別>
介護職 :30-49歳
訪問介護職:60歳以上
5 賃金
「平成25年度賃金構造基本統計調査」により介護職と産業系を比較すると、
ホームヘルパー:21万8千円
施設介護職 :21万9千円
全産業計 :32万4千円
と単純な比較は出来ないが、大きな差があると考えられる。 また低い要因の一つに「新規就業者が多いこと」「1年間で4割離職」「離職者の7割が3年未満で離職」と全産業と比較しても勤続年数が短い。
6 採用・離職等の状況
採用は中途が圧倒的に高い数値を示している。
新規学卒:6.8%
中途採用:84.7%
離職に関しては平成19年度は21.6%であったが、平成20年度以降は20%を下回って推移し改善傾向が見られる。それでも平均的な勤続年数は、
介護職 :5.5年
訪問介護職:5.6年 と短い。
第3 計画の目標
1 一層の職場定着を図る
2 相談業務の成果を出す
*公益財団法人介護労働安定センター(以下 センター)が事業所へ相談訪問割合を増やす。
3 能力開発業務の成果を出す
4 雇用管理責任者の選任を促す
5 教育・研修計画の立案を促す
6 仕事と生活の調和
など、この他にもいくつもの計画が示されています。
介護業界で働く、介護職の皆さんを取り巻く職業環境に関するさまざまな施策を知っておくことも、自ら置かれている現状を知る大切な情報だと思われませんか?
さらに詳細が書かれた原文は → 2015年04月介護雇用管理等計画の改定案