介護職の能力・評価、資格って?

今回は一般の方には分らない「介護職の能力・評価、資格」について少し書いてみたいと思います。

手を繋ぐ高齢者介護に興味がない方でも「介護職」と言った職種はメディアなどで耳にしたことがあるかと思います、また介護職とは生活に手助けが必要な方(ここでは高齢者)をサポートする仕事である事もご存知の方が多いと思います。
では介護職って何か資格が必要ですか? と尋ねると大概の方は「ヘルパーさんですよね」「ヘルパーの資格をお持ちなんですよね」と返される方が多いです。しかしこれは正解であって不正解でもあるんです。 介護保険のサービス内では従事する職種によって必要な資格が定められている物と定められていない物があります。 今回取り上げた介護職はサービスの種類によっては「ホームヘルパー、介護職員初任者研修」修了などの資格が必要な介護サービスと、無資格で従事できるサービスがあります。 ではここで介護職の資格制度について整理してみたいと思います。

資格名 旧相当資格・補足
 1  介護福祉士  唯一の国家資格
 2  介護職員初任者研修  ホームヘルパー1・2級、介護職員基礎研修
 3  ホームヘルパー3級  現在は廃止

介護の資格制度については変化が激しく、理解しずらい所が非常に困り者です。
この他にも資格ではないですが介護福祉士の受験資格を得るための実務者研修(現在は移行途中)などもあり、介護現場の職員であっても理解されていない方が多いくらいの複雑さです。

上記にも書きましたが資格の不要なサービスに従事していれば、特に気にする必要もないとも言えるでしょう。

ここでお気づきの方もおられるかも知れません、「ヘルパー」資格が無くてもヘルパーさんなの?
そうなんです、今の制度では特に問題はありません。 基本的に資格が有っても無くても従事でき、職員教育は「事業者」に任せられている部分が多いためです。
でも資格制度はあるし??? と思われませんでしょうか。 この点の疑問を解く鍵は厚生労働者などの審議会資料を読むとヒントが隠されています

ズバリ!「人手確保」

この点がネックで資格を義務付ける事に躊躇している様に思われます、実際介護の中で一番難易度の高い介護福祉士の資格取得要件も厳格化しようと10年位前から議論されていますがいつも先送りされています。実は本年度も先送りされています(「介護の質確保のためにこれ以上の先送りは許されない」との意見も出ているようですが)

介護の質<人手確保

の構図が見えてきます。(社会福祉協議会など介護従事者向けの勉強会などはあります)
実際介護現場では人手が必要ですが、介護は利用者様の「生活の質」を左右する大変重要な職業であるとも言えます。

参考資料 → 2025年に向けた介護人材の確保

-参考資料から抜粋-
資質の向上(P7-8)

 1  今後、人材需給が逼迫する中で、限られた人材をより有効に活用するには、介護人材 を一律に捉え、意欲・能力の異なる人材層の違いを問わず、一様に量的・質的な確保を 目指してきたこれまでの考え方を転換し、多様な人材層を類型化した上で、機能分化を 進める。この際、それぞれの人材層の意欲・能力に応じた役割・機能、必要な能力、教 育、キャリアパスの在り方に応じた具体的な方策が求められる。
 2  専門性の高い人材として、中核的な役割を果たすべき介護福祉士については、専門職 としての社会的評価と資質を高めるための具体的な方策を講じることが必要である。このため、介護ニーズの多様化・高度化やマネジメント能力の必要性の高まりに対応した 養成・教育プロセスの確立や役割の明確化等の方策が求められる。
 3  介護福祉士の資質及び社会的評価の向上の観点から、資格取得方法の一元化(養成施 設卒業生への国家試験義務付け等)の実施を進める。その際には、時期の明示とともに、必要な環境整備等を進めることが必要である。 こうした観点に立ち、従来の全ての介護人材が介護福祉士であるべきであるとの考え方 を転換し、「介護人材の全体像の在り方」、「介護福祉士が担うべき機能の在り方」、「介護
福祉士資格取得方法の一元化」の3点について検討を進め、介護人材の類型化・機能分化 や介護福祉士の社会的評価とその資質向上を図り、介護現場の中核を担う人材と位置付け るため、以下の取組を進めるべきである。

 

この現状を知った上で介護サービスを選ぶとした場合、皆様は何を基準に選ばれますか?
すでに利用中の方はサービスについてもっと知ってみては如何でしょうか?

 

次回は「介護職の能力評価制度」について書きたいと思います。

これは平成24-26年度に内閣府において実施されていた、実践キャリアアップ戦略キャリア段位制度実施事業の一環で唯一全国的に介護職の能力をランク分けする事業の試みです。平成27年度からは厚生労働省が補助を行い継続されるそうです。

 

 

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