日本から世界へ発信! 「認知症とより良く暮らす」

昨日に引き続き本日も「認知症に対する世界的アクションに関する第1回WHO大臣級会合」についての記事になります。
本日は会合内の「認知症とより良く暮らす」セッションへ参加された審議官が、世界に向けて発表された日本の取組みについての内容です。
-議事録より抜粋-

認知症施策を加速するためには、強い政治的なリーダーシップが重要です。日本は昨年の11月に世界認知症サミット日本後継イベントを東京で開催しました。このイベントで、安倍晋三総理大臣は、認知症に対する新たなプランの策定を宣言しました。1月に、認知症高齢者等にやさしい地域の実現を目指すため、日本は「認知症施策推進総合戦略」通称「新オレンジプラン」を策定しました。厚生労働省を中心に、11の政府機関の協力の下、策定されました。

日本では、65歳以上の7人に1人462万人が認知症の人で、2025年には5人に1人、約700万人になると予想されています。MCI(軽度認知障害)を加えますと、現状では高齢者の4人に1人が認知症又はその予備群と見込まれています。認知症は最早ありふれた疾患です。このような社会では、認知症の人を単に支えられる側と考えるのではなく、認 知症の人が認知症とともによりよく生きていくことができるような支援がなされなければなりません。公的な介護保険制度の下、私たちは、住まい、医療、介護及び生活支援が地域の中で、包括的に確保される地域包括ケアシステムの実現を目指しています。

認知症に対する啓発は、認知症高齢者等にやさしい地域づくりの基礎です。認知症サポーターの養成プログラムは、日本の誇る、世界と共有したい取組です。地域だけではなく、職域や学校等で、認知症に関する正しい知識と理解を持って、認知症の人やその家族を手助けします。講習の修了者にはオレンジリングが渡され、もちろん私も認知症サポーターです。既に「580万人の認知症サポーターを養成」しましたが、2017年度に800万人となるよう目指しています。

認知症に関するケアやリスク軽減の分野は、日本が世界に貢献できる分野だと思います。  例えば、日本は、地域住民対象の次世代型高効率高品質前向き認知症コホートを全国コホートのコンソーシアムとして開始するよう検討中です。世界との協働も考慮しながら、この研究は、早期発見・早期診断だけではなく、将来の予防戦略のシーズをもたらすものと期待しています。

ICTやロボットを活用した先進的なケアには、ケアやリスク軽減に対 して大きな将来の可能性があります。前向き介入コホートからのビッグデータ蓄積も予定しています。これらの研究から、個別にパーソナライズ化された予防戦略を、地域で実践できるようになると思います。
日本は、これまで蓄積してきた知識や経験、例えばケア実践者の研修等を、アジア、そして世界と喜んで共有いたします。我々は下支えとなる公衆衛生システムこそが、治療、ケアやリスク軽減のための戦略を真に生きたものとするために必要だと信じています。公的介護保険などユニバーサル・ヘルス・カバレッジの経験を世界と共有していけるようにしたいと思います。

こちらも:「認知症に対する世界的アクション」

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