無届けホームの実態数調査

昨日の名古屋市での無届けケアホームひまわりでの虐待事件  のニュースがありましたが、3月末に厚生労働省から無届け有料老人ホームへの指導状況の調査結果報告が公表されていましたので取り上げたいと思います。

<平成 26年10 月31 日時点で(老人福祉法に基づく)総数>

 届出済み  9,941件
 未届け  961件

 

1年前にさかのぼり平成25年10月31日時点で都道府県が認知していた未届け施設数が911件あり、その後行政指導を行っても591件(64.9%) は未届けのままで1年間運営されている状況が見られます。 また最新調査の平成26年10月31日時点の未届け数が961件ですから、

961-591=70件

と減るどころか増加しています。

 平成25年から26年までの改善状況  施設数
平成25年10月31日未届け数 (母数) 911件
内訳
 有料老人ホーム非該当等となったケース 156件(17.1%)
 平成26年10月31までに届出済み 164件(18.0%)
 平成26年10月31日時点で未届け
(1年間で未改善)
591件(64.9%)

 

さらに有料老人ホームの届出済み/未届け施設について、数値を比較し易い様に実態調査履歴が公表されている平成21~26年の期間について推移グラフを作成しました。

未届け有料老人ホーム

 

有料老人ホームが増え続ける中、同様に未届けの施設も全体の比率では8%程度ですが施設数は増加している現状が確認できます。

未届けを行っている施設にはいくつも届出ない理由があると思います、「規定の居住スペース」「職員数」「防災面の設備設置」など、その一方でそれでも利用したい方々がいるからこそ成り立っているとも言えます。未届けだからと言って利用料が破格の安価ではないですし、結局のところ需要と供給のアンバランスも要因の一つではないでしょうか。

施設運営は人件費が大きなウエイトを占めるので、小さな施設経営者はリスクを負うほど収益があるとも思えません。経営者の中には居場所のない方の受け皿を真剣に考え運営して方もいるかもしれませんし、しかし届出るだけの費用は負担できないなど理由は思いのほか複雑なのかもしれません。

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