プロフェッショナルな介護士を探すには?
いつもご覧頂き有難う御座います。
3月末にお届けした「介護職の能力・評価、資格って?」の記事にてお伝えしていた、「介護職の能力評価制度」について自分なりの意見を書かさせて頂きたいと思います。
この制度は今まで介護職のスキル評価が事業者任せで不透明であった点を、一律の制度の下に評価することで事業所間の垣根を超え「介護職のプロフェッショナル度」を客観的に判断出来ることが大きなメリットではないかと思います。
現在は介護福祉士、初任者研修、ヘルパーなど介護資格の取得難易度は違うにしても、全て一まとめに「介護職」として業務に従事でき、第三者からみて資格毎の違いやスキルの違いを判断することが難しく、更新制度や研修受講の義務がないために、介護職の中でも資格を取ればおしまい 名前だけのスキルのない介護職 などが多いと関係者から聞くことも少なくありません。
そういった中で、国主導でプロフェッショナル度をレベル分けする制度を構築していくことは、介護職の向上心・モチベーション向上や、事業所の「介護技術力」「専門性」を比較する際に、従事する介護職のプロフェッショナル度を客観的に見て比較できることは、事業所選びをする重要な材料になることは間違いないでしょう。
*最近は「認知症に特化したケア」「一人ひとりに寄り添ったケアを実践」など書かれていますが、外部者が実力判断は困難です。
介護プロフェッショナル キャリア段位制度 とは?
この様に示されています、
成長分野における新しい職業能力を評価する取組みであり、企業や事業所ごとにバラバラでない共通のものさしをつくり、これに基づいて人材育成を目指す |
- これまでの資格制度で不足していた「実際にその現場で何ができるのか」という部分を補うため、「わかる(知識)」と「できる(実践的スキル)」の両面を評価
- 成長分野である介護サービスの従事者に対して、「介護プロフェッショナル」のレベル認定を行う
- 「介護プロフェッショナル」については、既存の国家資格制度や研修制度との関係も考慮し、特に、実践的スキルについて重点的に評価
- エントリーレベルからプロレベルまで、7段階でレベル認定を行う(キャリア段位)。
- 介護プロフェッショナルでは、まずレベル1からレベル4について基準をつくり、レベル認定を行う
☆「キャリア段位」の判断基準
プロレベル | 7 | トップ・プロフェッショナル | |
6 | ・プロレベルのスキル・高度な専門性 ・オリジナリティ |
・多様な生活障害をもつ利用者に質の高い介護を実践 ・介護技術の指導や職種間連携のキーパーソンとなり、チー ムケアの質を改善 |
|
5 | ・チーム内でのリーダーシップ (例:サービス提供責任者、主任等)・部下に対する指示 ・指導・本レベル以上が「アセッサー」になれる |
||
4 | ・一人前の仕事ができる段階 ・チーム内でリーダーシップ |
・利用者の状態像に応じた介護や他職種の連携等を行うための幅広い領域の知識 ・技術を習得し、的確な介護を実践 |
|
3 | 指示等がなくとも、一人前の仕事ができる | ・一定の範囲で、利用者ニーズや、状況の変化を把握 ・判断し、それに応じた介護を実践 |
|
2 | 一定の指示のもと、ある程度の仕事ができる | 基本的な知識・技術を活用し、決められた手順等に従って、基本的な介護を実践 | |
1 | エントリーレベル 職業準備教育を受けた段階 |
・初任者研修により、在宅・施設で働く上で必要となる基本的な知識 ・技術を習得 |
☆レベル認定の判断基準
レベル | わかる(知識) | できる(実践的スキル) |
4 | 介護福祉士であること(国家試験合格) ※ 介護福祉士養成施設卒業者について、国 家試験の義務付け前においては、介護福祉 士養成課程修了によりレベル4とする。 |
「基本介護技術の評価」、「利用者視点での評価」、「地域包括ケアシステム&リーダーシップに関する評価」 |
3 | 介護福祉士養成課程又は実務者研修修了 ※ 介護職員基礎研修修了でも可。 |
「基本介護技術の評価」、「利用者視点での評価」 |
2 | 介護職員初任者研修修了(※) ※ ホームヘルパー2級研修又は1級研修修了 も含む。 |
【レベル2②】 「基本介護技術の評価」、「利用者視点での評価の一部(感染症対策・衛生管理など)」 |
【レベル2①】 「基本介護技術の評価(状況の変化に応じた対応を除く)」 *介護福祉士養成課程におい |
||
1 | - |
制度のメリット
介護職員のメリット
☆現場で何ができるかを証明できる!
・入浴・排泄介助等の介護技術、利用者・家族とのコミュニケーション、感染症・事故への対応、地域包括ケアの実践的スキルなどを現場の仕事を通じて評価。
☆スキル・やりがいの向上、処遇改善の材料につながる
・キャリア段位の取得を目標に、できていないことを認識して現場で取り組むことで、スキル・やりがいの向上につながる。
・給料や評価を決める際の重要な材料になるので、処遇改善につながることが期待される。
☆一時離職などのデメリットを軽減できる
・キャリア段位の認定により、一時離職(出産・子育てなど)からの復帰や転職のデメリットを軽減できる。
事業所・施設のメリット
☆OJTを通じて職員の能力を向上できる
・「現場で実際に何ができるか」を測る評価基準であるため、OJTツールとして積極的に活用できる。
・OJTの積極的な推進を通じて、介護職員の能力向上を図れる。
☆サービス水準をアピールできる
・キャリア段位を取得した介護職員が多ければ、質の高いサービスを提供していることをアピールできる。
☆職員のスキル・やりがいの向上につながり、定着や新規参入を促進できる。
・職員のスキル・やりがいの向上につながるとともに、客観的な能力評価が行いやすくなる。
・これによって、介護職員の定着や新規参入を促進できる。
平成26年度での認定者数
レベル認定者 : 428名
評価者(アセッサー): 7,817名
外部評価審査員 : 223名
レベル認定受講中 : 4,755名
<役割>
レベル認定者 : 認定を取得した職員
評価者(アセッサー): レベル認定を受験する者が所属する事業所の内部評価職員
外部評価審査員 : 外部評価機関に所属
補足
この事業は平成24年度スタート時は内閣府において「実践キャリア・アップ戦略キャリア段位制度実施事業」として実施され平成26年度をもって廃止され、平成27年度から厚生労働省に移管の上、「介護職員資質向上促進事業」として継続実施されます。
厚生労働省発行の制度内容資料はこちら → 介護キャリア段位制度