岩手県の特別養護老人ホームで虐待!職員逮捕
岩手郡葛巻町内にある特別養護老人ホーム高砂荘で元介護士を傷害容疑で逮捕
社会福祉法人誠心会が運営している特別養護老人ホーム高砂荘の元職員が、岩手県警岩手警察署に虐待・傷害容疑で8月6日に逮捕されたニュースが流れ、業界関係者や介護従事者、介護サービスを利用されているご家族から注目を集めています。
事件は今年の6月中旬に、女性入居者(86歳)の顔や首などに皮下出血があることを同施設の介護職や回診医師が発見し、6月下旬にご家族が同署に相談した事から捜査が始まり、虐待事実が明るみになったとの事です。
事件は夜勤中の深夜から明け方に発生し、発生時間帯は介護士2名で勤務にあたっていたが、その時間は容疑者1名での勤務中だったことが公表されています。なぜ1名だったのか、交代で休憩中だったのか、もう1名は朝まで気が付かなかったのかなど詳細は不明です。最初の発見者は翌朝出勤した職員で、回診医師も数日後に確認していることからもかなり大きな皮下出血が想像できます。 またご家族が知り得てから数日で警察に相談している事からも、施設の初期対応に不信感を感じたのではないでしょうか(通常は施設や役所など介護保険関係の相談窓口に行かれる)
その他に気になる点は、同時期に他入居者で同じような場所へ皮下出血が発生し警察が調査をしている部分です。もしかすると今まで繰り返されていたが、個々に事故処理をするばかりで施設内で関連性を含めた調査が行われなかった可能性、被害者が認知症との事で「理由不明」「どこかにぶつけた」「アザが出来易いから」など本人理由の外傷として処理されていたことも十分考えられます。
特別養護老人ホームには「事故対策委員会」の設置と定期的な検討会議の開催が義務づけられています、今回の施設でも設置はされていたと思われますが、上手く機能していなかったのか、怪我の発生に慣れすぎて危機意識がなかった、職員の説明を鵜呑みにし過ぎて客観的な判断が行われていなかったのか… 色々と考えられることは多いでしょう。 特に施設で働かれている方々は自分達の施設に置き換えて、自分たちはどうだろうかと考えたり、利用しているご家族は「両親の施設は大丈夫だろうか」など不安が生まれても不思議ではありません。
毎年介護職が起こす虐待の認知件数は増え続け、通報件数に至っては右肩上がりの非常事態です! 今年に入って何人逮捕されたのか数えるのが嫌になるくらいです。
容疑者は「押さえたが傷つけるつもりはなかった」と一部否認はしていますが、こういった事件が今現在も見えない所で行われ、そして表に出ないまま被害者は寿命を向え亡くなっていかれる。こんな現状で良いのでしょうか?
賃金や処遇ばかりが前面に取りざたされますが、給与が高く処遇が良いだけでは人は育ちません。まして人を育てるには時間もかかります、その間にも多くの方が大なり小なり虐待を受け、我慢し寿命をまっとうする。 これで「介護は専門職」と胸を張って良いのでしょうか?
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